無趣味ライフ

無趣味ライフ

人の趣味に便乗するスタイル

K先生

 


K先生の携帯から、K先生が亡くなったと連絡がきた。

今月始めに亡くなったらしい。

色々と一段落ついて、奥さんが携帯に登録のあった連絡先に報告しているとのこと。

不謹慎かもしれないが、今みているSAWのジグソウ役にK先生は似てたなぁと思っていたところだった。

 

 

 

K先生は、昔お世話になった空手の先生だ。

私は1人田舎から上京してきた女の子ということで、道場まで車で乗せて行ってくれたり、家に泊まらせてくれたり、娘みたいなものだと目をかけてもらっていた。奥さんとも面識があり、覚えていてくれていた。

先生からは妙に買い被られていて、そんな人間じゃないんだよと思っていたこともある。

 


しかし、空手を辞めて都心に越して以来、道場には顔を出しておらず、先生から一年に一度くらいかかってくる電話で話す程度だった。機会があれば顔出しますと毎回言っては、そんなつもりは毛頭なかった。

年賀状は毎年出していたが、昨年は先生からの年賀状は何も文が書かれておらず、今年は返事もなかったので、もしかしたらという気持ちもあったが、不義理な自分に愛想が尽きたのだろうと思っていた。私はいつまでも地元の人間だとか、学生時代の友人だとか、過去の人間関係を引きずることが嫌で、先生も例外ではなく、過去に世話になった人という認識でいた。

 


そんな人間だからか、葬儀の連絡は誰からも伝わって来なかった。

しかしもし仮に、葬儀の日時を知らされていたとしても、私は参列しただろうか。正直なところ、道場仲間には会いたくない人もいるし、どういう顔をすれば良いのかわからない。そもそも、自分の金と時間を潰される冠婚葬祭が至極嫌いだ。

結局どちらにせよ、自分は過去の人間関係を切り捨て、好きか嫌いかという天秤からしか判断できない、クソ人間なだけだ。

 


しかし、そんな自分に奥さんはわざわざ電話で連絡をくれた。

ただ単に、あ行から電話をかける事務的な作業であったかもしれないが、その行為が、相対的に私のクソで非情な人間性を私自身に知らしめたような感じがして、なんと表現したらよいかわからないが、二重の意味でショックを受けている。

 


私は機会をみてご自宅に伺います。と、奥さんに伝えた。

半分その場の雰囲気で発した言葉であったが、最後にちゃんと先生に挨拶しておこうと思う。私の性格上、もうそれが本当に最後だろうから。

 

 

 

直接はまだ言えてないけど、記しておきます。

K先生、ありがとうございました。合掌。

 

ーおわりー